スタッフだって知っておきたい!How To性病

 患者数が増え続けていることが日々ニュースとして取り上げられている「梅毒」。20代女性の患者数が急増し、男性の梅毒感染患者の7割超が過去数カ月以内に性風俗利用歴があることが公表されたりと、性風俗店と梅毒をはじめとする「性病」は切っても切り離せない存在です。

 コンパニオンさんから「性病かもしれな」と相談されたとき、どのような対応をしていますか?

感染者数の多い性病は??

 厚生労働省が報告している性感染症報告数を元に、感染者数の多い性病についてまとめて紹介していきます。

 厚生労働省の報告によると、平成30年の感染者数は以下の通りです。

総数 男性感染者数 女性感染者数
性器クラミジア感染症 25,467 12,346 13,121
性器ヘルペスウイルス感染症 9,128 3,584 5,544
淋菌感染症 8,125 6,378 1,747
梅毒 7,001 4,588 2,413

 クラミジア、性器ヘルペス、淋菌は定点医療機関988か所からの報告数、梅毒は全数報告の数値です。

 クラミジアの感染が圧倒的に多いのが一目でわかりますが、過去3年をさかのぼると梅毒の感染患者が1,000人単位で増加しているため、頻繁に注意喚起がされています。

 クラミジアは男女で大きく差は開いていないですが、性器ヘルペスは女性の方がやや多く、梅毒は男性が約女性の倍の感染患者数となっています。

主な症状について

・性器クラミジア感染症

初期症状(女性) 初期症状(男性) 重症化した場合(女性) 重症化した場合(男性) 治療方法

不正出血(生理以外)

下腹部の痛み

おりものが増える

排尿時や性交の痛み

尿道から白濁した水っぽい分泌物が出る

尿道のかゆみ

排尿時の痛み(違和感)

子宮頸管炎

卵管炎

卵管狭窄

骨盤腹膜炎

前立腺炎

精巣上体炎(副睾丸が腫れる)

抗生剤の内服による治療

潜伏期間は1~3週間です。感染ルートは性交による粘膜接触が主。クラミジアは妊娠中に感染すると、新生児のクラミジア産道感染の原因になり、新生児肺炎や結膜炎を起こします。あわせて子宮外妊娠に陥ることもあり、男性は治療をせずに放置することで、男性不妊症になる可能性が高まります。早期発見は難しいと言われていますが、違和感を感じたら検査を受けるようにしましょう。

・性器ヘルペス

初期症状(女性) 初期症状(男性) 重症化した場合(女性) 重症化した場合(男性) 治療方法

38度以上の発熱

陰部に痛みを感じる

小さな水疱ができる

かゆみ

足の付け根のリンパが腫れる

※女性と同じ 痛みにより排尿が困難になり、ただれてくる ※女性と同じ

内服薬による治療(2~3週間で治療せずとも症状はなくなるが、再発の可能性が高まるので初感染の段階で治療をすることが望ましい

潜伏期間は2~10日程度。性交だけでなく、トイレや温泉などでも感染する非常に感染力の高い性病です。衛生管理が不十分であると、性交以外からも性器ヘルペスに感染してしまいます。店舗のトイレやタオルは清潔保持をしておくと良いでしょう。また、ヘルペスのウイルスは死滅することがありません。一度感染すると一生の付き合いになってしまいます。

・淋菌

初期症状(女性)

初期症状(男性)

重症化した場合(女性)

重症化した場合(男性)

治療方法

おりものが増える(色がつき臭う)
下腹部の痛み

排尿時の痛み

陰部のかゆみと痛み

排尿時に焼けるような痛み

白・黄・緑など色のついた分泌物が出る

睾丸が痛み腫れる

骨盤内炎症性疾患(PID)を発症し、不妊症のきっかけにつながる ※女性と同じ 抗生剤の内服による治療

潜伏期間は2~5日程度。感染ルートは性交による粘膜接触が主。淋菌は感染患者数は圧倒的に男性が多い性病です。抗生剤による治療が基本ですが、抗生剤に対し耐性を持つ新種の病原菌も増えているので、検査を行い治療方針は医師からの指示を仰ぐようにしてください。投薬治療のほか、点滴や注射での治療方法もあるので検査を行った際など相談してみると良いでしょう。

・梅毒

初期症状(女性)

初期症状(男性)

重症化した場合(女性)

重症化した場合(男性)

治療方法
全身の発疹
股の付け根が腫れ
陰部のしこり

※女性と同じ

手足の麻痺
心臓や血管の病気
失明
脳障害
脱毛症
※女性と同じ 内服薬による治療

潜伏期間は2~3週間程度。患者数が年々増え続けている梅毒。かつては「不治の病」とされていましたが、現在では、病期に応じた治療を行い血清検査で規定値をクリアすることで「治癒判定」をされます。梅毒は、一度感染してしまうと治癒判定を受け、症状が出ていなくても検査では陽性反応を示し続けます。けれど、治癒判定を受けているの性交などで誰かを感染させることはありません。発見方法としては全身の発疹(薄い赤色のあざ)、陰部のしこりの2点です。性交だけでなく、キスでも感染する可能性があるため感染の疑いがある場合はすぐに病院へ行くように促しましょう。

 いずれもオーラルセックスによる咽頭への感染の危険性もあります。
 咽頭へ感染した場合は、喉が赤くなり、腫れるなどの違和感が初期症状として現れます。風邪と間違えやすいため、発見が難しいこともあります。性病検査を受ける際に、喉にも違和感があるのであれば病院に相談するように伝えましょう。
 いずれも、オーラルセックスによる咽頭への感染の危険性もあります。

「かゆみ」がサインになるケース

 粘膜の接触だけでなく、陰毛の接触で感染するもの、体調不良などで免疫が低下しているときに感染するものもあります。

  • 性器カンジタ症

  症状:かゆみ、軽度の腫れ、焼けるような痛み、白いおりものの増加

 【治療方法】軟膏と膣錠を併用しての治療

性交渉がなくても感染するのが、性器カンジタ症です。体調不良やストレスなどの免疫が低下したときや、膣内細菌を殺してしまう菌交代現象を引き起こす原因となる抗生物質を飲んでいる場合、妊娠しているときにかかりやすいです。なお、カンジタ菌は常在菌のため性病とは言い切れない部分もあります。

  • トリコモナス

  症状:臭いのある黄色いおりものが出る、強いかゆみ

 【治療方法】膣錠を使用しての治療

男女ともに自覚症状が出ず、いつ感染したかわからないことが多い疾患。膣内にトリコモナス原虫が入り、炎症を起こすものですが、性交渉による感染だけでなく、タオルやお風呂、トイレなどからも感染するケースもあります。トリコモナス感染を受けた膣はほかの性病への感染リスクが高まるため、コンパニオンさんへはおりものの異変を感じたら病院へ行くように伝えましょう。

  • ケジラミ症

  症状:かゆみ、下着に茶色い粉が付着する

 【治療方法】感染部分すべてを剃毛、ケジラミを殺すシャンプーを使用しての治療

ケジラミは人間の血液から栄養をとり、毛の部分に寄生する1mm前後のシラミです。主に陰毛に寄生しますが、肛門周辺やわき、胸毛、太もも、まつげ、まゆげ、頭髪にも寄生をします。かゆみの症状感染後1~2か月程度で発症し、かゆみの程度は人それぞれ異なりますが、下着に茶色い粉が付着しているのであればケジラミ症に感染している可能性大です。ケジラミを殺すシャンプーだけでは、毛の根本に産んだケジラミの卵を殺すことができないため、剃毛することが最短の治療法とされています。感染経路は性交などによる陰毛接触ですが、こちらのタオルなどから感染することも稀にあります。同時に他の感染症(HIVや梅毒、B型肝炎など)の検査も一緒に受けるようにすると安心でしょう。

予防はやっぱり「清潔が一番」

 ここまでに紹介した性病はごく一部ではありますが、性風俗で働いている女性が感染するリスクが高いものばかりです。では、感染を予防するためにはなにをすればいいのでしょうか。

 端的にまとめると「清潔を保つ」ことです。

 お客様とシャワーを浴びる際に、性器はもちろん肛門しっかりと洗うようにしましょう。そして、洗っている間に性器にイボや膿が出ているなど異変がないか確認をしましょう。その場でお客様に「これって性病じゃない?」と言うのは残りの時間などを考慮すると難しいもの。もし、そういった症状をコンパニオンさんが発見した場合の対応策(電話で店舗に連絡するなど)も予め準備しておけば、コンパニオンさんも安心できると思います。

 あわせて口腔内の消毒も忘れずにしましょう。オーラルセックスでの感染を防ぐため、お客様と一緒にうがいをするなどして消毒しておけば感染予防になります。そして、プレイ後はトイレに行くようにしましょう。これは尿道に入ってしまった菌を流れ落とすためです。コンパニオンさんに、プレイ前に少し多めに水分を取っておくように伝えておくよ良いでしょう。

 お客様の爪について。SNSでは過度な指入れで出血をしたという情報も多く、出血をしているということは、当たり前ですが膣内が傷ついているということです。これは性病だけでなく、他の病気にも感染しやすくなるため、爪が長い・爪の間が汚れているなどという場合にはどう対応するか、というサービスマニュアルの用意または、店舗側からお客様への告知などの対策を打ち出す時期なのではないでしょうか。

 実際に傷つくのは店舗ではなく、コンパニオンさん自身です。

 予防方法とあわせて、性病感染の疑いがあるお客様への対応方法も店舗側からしっかりと提示し、コンパニオンさんもお客様も安心・安全遊べる環境を整えていきましょう。

「治らない」ことよりも怖いこと

 コンパニオンさんは「もしかしたら性病かも」と感じたとき、出勤停止になることで収入が減ってしまうことを不安に感じるのではないでしょうか。そのため、性病検査を受けることを避けたり、性病検査で感染が確認されたのに、それを黙って他の店舗へ移籍をしたりと、「治らない」とことよりも怖ろしい事態が起きかねません。

 そうならないためにも、店舗側が性病について知識をつけておき、コンパニオンさんだけでなくお客様へも注意喚起をすることができます。

 性病は、「治らない」ことよりも「感染者を増やす」ことが一番怖いことです。対応策を準備しておくことでお客様にもコンパニオンさんからも信頼される店舗になることができるでしょう。

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