デリヘル開業をする際の最初のハードル 風俗承諾物件を考える

鈴木浩e4u株式会社代表取締役 鈴木浩
「多くのお店をオープンしてきましたが、多くのお店が閉じるのにも関わってきました。業界経験15年の業務の中で培った風俗マーケティングのお話をさせて頂きたいと思います。」

人気のエリアには「物件」がない!?

 エリアによってはニーズがあるものの「風俗承諾物件」が見つからない状況があります。デリヘルを経営する場合、「無店舗型性風俗特殊営業」の届出をします。その際「事務所の使用について権原を有することを疎明する書類」として「使用承諾書」が必要になります。最近ではその「使用承諾書」がもらえないケースが増えています。

 中には使用承諾をとらずに事務所や待機所として使用しているデリヘル店も存在します。また寮や写真撮影用のスタジオとして使用している場合もよくあります。寮やスタジオは事務所や待機所と違い警察への届出は必要はありません。しかし女性が頻繁に出入りするような場合はトラブルになったり、場合によっては不動産の「用法違反」を指摘されることがあります。ただ正直に説明すると貸してくれないことが多いこともあり、結果として多くのデリヘル店が内緒で借りているという実態があります。

 人気の某エリアでは、デリヘル使用のための承諾がもらえる物件が見つからないため、物件所有者の使用承諾をとらずに事務所やコンパニオンたちの待機所として使っている業者が多く存在するといわれています。それらはデリヘル店を辞めた従業員やコンパニオンの告発(お店と揉めて辞めることになった腹いせ)によって明らかになることが多く、問題になっています。以前はデリヘル店に貸し出していたマンション所有者の方の中にはそのような不誠実な対応に辟易し、今後の貸し出しは行わない(新規オーナーへの貸し出しだけでなく、個人名義で借りていた方が法人名義に変えようとするケースでも新たに物件の使用承諾書は出さない)というケースが多くなってきているのです。

トラブルによってさらに物件が借りにくくなるという悪循環。

 この他にも日本人がマンションの部屋を数部屋借りて、外国籍の女性にそこで売春行為をさせているケースもあります。昔多く存在したいわゆるマンヘル(マンションヘルスの略称)やマントル(マンショントルコの略称)と同じで、もちろん警察への届出はしていません。しかし無断で使用している事務所や待機所のケースもそうですが、最近は住民とのトラブルに発展しないようコンパニオンたちに指導しており(例えば騒音対策、喫煙場所等の指導、ゴミ出しの曜日の徹底など)なかなか発覚しないようです。

 発覚したあるケースでは隣の住民の家賃未払いの催促に大家が訪れた際、そのフロアで外国籍の女性の頻繁に出入りすることに不信感をもち、調べたところ売春行為に使用されていたことが分かったというのがありました。日本人に貸しているのに外国人の出入りがあれば怪しまれるのは当然ですが、普段大家がマンションを訪れることが少ないわけですから発覚することが困難だと思えます。しかしこのような違法行為が一度発覚すると性風俗に対する心証をさらに悪くし、余計に物件が借りにくくなっていくでしょう。

 結果として新規参入のコストが益々高くなります。デリヘルを始める場合マンションやアパートの一室から始めることが多いですが、一般の人が物件を賃貸契約する場合、敷金礼金が共に1ヶ月分というケースが多いと思いますが、デリヘルで使用する場合は敷金礼金がそれぞれ2カ月分、使用承諾料として1ヶ月となります。これが事務所タイプの賃貸物件になると敷金が6~10ヶ月、礼金も1~2ヶ月となります。そしてさらに使用承諾料として1ヶ月分がプラスされます。また賃料についてもデリヘルの事務所や待機場所として借りる場合、通常の1.2~1.6倍が相場だと言われています。性風俗業界として不誠実な対応が今後も続けばこれらのコストがますます増える可能性も考えられます。

デリヘル用の事務所物件を購入する人が増えている!?

 このような理由から集客がしやすいと噂のエリアでも近年はとくに物件が見つからないことが多くなっています。仮に物件が出てきたとしても駅や・ホテル街から遠いなど立地条件が悪い場合がほとんどです。その中で事務所用物件を購入を検討されているが増えています。都内でデリヘルを経営していたあるオーナーはどうしても人気の某エリアに出店したいと考え、1千数百万円程度のお金を準備し駅近くのマンションを購入したそうです。風俗店に貸してくれる金融機関など存在しませんから、購入資金は現金で用意しなければなりません。しかし蓄えがある方なら、これから先に支払い続けなければならない賃料を考えると、適当な物件を購入するのも悪くないと思います。

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マンションを購入する。

 電車を利用される方が多いエリアでは駅近くのマンションを購入し事務所を構える方法がオススメ。

 都内某所のマンションを購入したある経営者は、自宅としてもそこを使用している。エレベーターなどで住民と顔を合わせることもあるので、在籍女性には事務所で待機する場合服装や化粧などもあまり目立たないように気を付けさせ、近隣の迷惑にならないよう注意しているという。無店舗型性風俗営業がマンション住民にバレてしまうと不動産の用法違反や「マンション規約違反」で退去しなければならなくなるケースも考えられるので近隣住民への配慮が必要です。

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一軒家を建てる。

 住宅街に一軒家を購入し事務所を構えているケースもあります。関東のあるエリアで物件を購入したケースでは土地・建物合わせて3500万円程度だったといいます。事務所として使用する目的で建てたそうで、間取りは一階は仕切りの壁はなくスタッフのデスク・撮影部屋・流し・トイレなどがあり、2階は2部屋あり、それ以外にトイレがあるだけという建物のサイズから見るとかなりシンプルな造りとなっている。駐車場のスペースは一台分。その他会社名を掲げた看板がある以外は建物自体は近隣の家になじんでおり、誰もそこでデリヘルが運営されているとは気づかないとおもいます。女性が頻繁に出入りするが、苦情が来たことは一度もないそうです。

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土地を購入し、ユニットハウス(プレハブ)を建てる

 都心から遠く離れたエリアでデリヘルを営業しようとするなら、女性を確保するためにも駐車場の確保が必要になります。公共交通機関は期待できないし、大半の女性が自分で使える車を持っているからでもあります。都心に比べ駐車場の料金もはるかに安価ではあるが、都号の良い場所に借りることができるとは限りません。駐車場のスペースを確保できる事務所を建てることができる土地を購入するという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。ユニットハウスと駐車スペース約10台分で2000万円程で準備することが可能なエリアもあります。

物件を購入するリスク

 ただリスクも存在ます。一度デリヘルの事務所として貸してしまうと「事故物件」的な扱いを受ける可能性(※福岡高判平成23年3月8日)があり、仮に家族の住まいとして次の方が借りることになった場合は、前にデリヘルが使っていたことを伝えないと問題になることがあるようです。

 購入したマンションの居室が過去性風俗特殊営業に使用されていたケースでは売主の瑕疵担保責任が認められ、裁判所が売主と仲介業者に対し買主への損害賠償の支払を認めました。性風俗特殊営業で使用されていたことが心理的瑕疵の事例として認められたケースでとして有名な裁判です。性風俗で使用していたことが「自殺・殺人」や「暴力団事務所」と同様に瑕疵物件扱いになる可能性があるということは理解しておく必要があると思います。

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