横領事件発生!被害額の返済や解雇の対応はどうすればいい??

 風俗店に限らず、従業員による売上金着服の横領事件は頻繁ではありませんが、起こりうる事件です。経営者として、事件が発生したらどのような行動をとればいいのか。ここでもう一度確認しておきましょう。

横領事件が発生したら

 まず、横領事件が発生した場合の対応内容について。

  • 本当に横領行為があったのか
  • 横領の被害額の確定
  • 横領行為の有無(監視カメラの確認など)
  • 事実調査
  • 横領をした従業員への事情聴取
  • 横領をした従業員に対する責任追及(解雇や損害賠償の請求など)
  • 警察に被害申告をするか否か

 最初に行うのは、「本当に横領行為があったのか」という点と「横領の被害額の確定」です。「横領の被害額の確定」については、横領をした従業員への事情聴取によって変動する場合もありますが、まず、横領の事実を確認した時点での被害額は把握しておくことが大切です。「だいたい600万円」などアバウトな表現をするのではなく、できるだけ正確な数字で把握することが大切です。あわせて横領行為をしている瞬間(レジのつり銭を抜くなど)が、映像などで残っていると示談を行う際などに有利に話を進めることができます。

 横領の事実を確認し、金額が確定したのちに、横領をした従業員に対する責任追及を会社として決めていくのが一般的な流れと言えます。横領が発覚した段階で「解雇」とするのは、たとえば横領をした人は別にいて、ただ濡れ衣を着せられていただけだった場合「不当解雇」となり逆に訴えられてしまうこともあるので、慎重な対応が求められます。

横領した従業員が警察に捕まっても返済可能

 次に、横領をした従業員が「横領罪」で警察に捕まった場合について。一般的に刑事事件として警察に逮捕された場合、48時間以内に検察に身柄を送られ、検察は逮捕から72時間以内に勾留請求を裁判所に対して行い、起訴・不起訴を決定します。

 とはいえ、横領が起きたら誰彼構わず逮捕ができるということではありません。

  1.   被害申請がされていること(被害届または告訴状を警察に提出しているか)
  2.   被害額が200万円以上
  3.   示談が成立していないこと

 以上の3点が「横領罪」で警察が横領をした従業員を逮捕するための条件です。けれど、被害申請後に示談が成立した場合や、横領をした本人が事実を認め、身元が安定している場合は逮捕されないこともあるので、覚えていると安心です。

 ここで「警察に逮捕されてしまったら、横領された金額は返ってこないのでは?」と心配する声も聞こえてきますが、横領罪で逮捕をされても返済は可能です。被害額全額にあわせて年利5%の遅延損害金の請求も認められています。被害額の返済はもちろん分割にすることもできますが、返済完了までは保証人を立てるなどすることにより返済が滞ることを防ぐことができるでしょう。

横領した従業員を解雇する際の注意点

 最後に、横領をした従業員を解雇するときの注意点です。

 警察への被害申告の有無問わず、横領を認めた段階で「解雇」を決断したのであれば、労働基準法に基づき、以下の手順が必要となります。

  1.  少なくとも30日前に解雇予告をする
  2.  解雇予告を行わない場合は、解雇と同時に30日分以上の賃金を支払う

 解雇されることで、従業員の生活に大きな影響を与えるということから、「解雇には30日以前の予告が必要」とされています。しかし【日雇い】、【2か月以内の期間限定】、【季節的業務に4か月以内の期間限定】、【試用期間中(14日を超えての継続雇用が決まった場合は対象外)】の4つの場合は、30日以内の解雇予告は不要です。

 詳細については、労働基準監督署のリーフレットをご確認ください。

解雇する場合の予告について(労働基準監督署リーフレット)

 労働基準法では以上のような決まりがありますが、横領の場合は「懲戒解雇」に該当するため、「解雇予告除外認定」を管轄の労働基準監督署に行うことで、30日分の賃金を支払うことなく即日解雇が可能となります。

 東京労働局が作成した解雇のルールが記載されたリーフレットです。

しっかりマスター労働基準法解雇編(東京労働局リーフレット)

 横領事件に限らず、組織の信用を揺るがす大きなトラブルに見舞われた際、冷静かつ迅速な判断が経営者には求められるでしょう。転ばぬ先の杖として、労働基準法などの確認はしておくと安心です。

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