風俗店を解雇された女性が損害賠償請求!その結果は?!

 解雇したCPさんから、「解雇は無効だ!」で訴えられた風俗店。裁判所はこの女性の訴えを退けました。なぜ裁判所は、この風俗店による「女性の解雇」が違法ではないと判断したのでしょうか?
ざっくり言うと・・・
▼店舗型風俗店で働いていた女性が店から解雇された。
▼女性は「店の解雇権の乱用」を訴えて店に損害賠償を請求。
▼裁判所は、女性の訴えを退けた。

風俗店を解雇された女性が損害賠償請求!その結果は?!

要旨

 店舗型性風俗店で性的サービスの提供に従事していた女性が解雇され、解雇権濫用を主張。
会社と風俗嬢の関係が「雇用契約」なのか「業務委託契約」なのかが争われた。

結論

 店舗を運営する法人と女性の関係は雇用契約ではなく業務委託契約。請求棄却。

裁判所の判断

① 諾否の自由
 女性の業務日・業務時間は決められていない。
 他の女性との調整で制約されることがあっても基本的には業務日・業務時間を選択する自由がある。
 特定の日時に仕事を依頼されても断ることができ、自分が希望する範囲で仕事ができる。
 
② 業務遂行上の指揮監督
 基本的にはサービス内容やコンセプトは店舗側で設定されているのの、性的サービスの具体的な内容は女性に任されており、女性には相当広範な業務上の裁量がある。
 店舗のコンセプトやルールに定められた禁止行為(本番行為の禁止)等をはあるが、店舗にはそれを超える業務遂行上の指揮監督があるとは認められない。
 
③ 時間的・場所的拘束
 女性は、業務日と業務時間を基本的に自らの希望で選択できる。
 店舗側からの最低限の業務日・業務時間の制約がない。
 予定された業務日に欠勤したり遅刻したりしても特にペナルティは定められていない。
 
④ 代替性の有無
 女性は提供するサービスの熟練度・容姿・接客態様など個人的要素(○○嬢を目当てに遊びに来る)を期待されており、代替性がないのは当然。
 
⑤ 報酬の労務対称性
 来店客に対応した業務に応じて報酬が決められており、時間を基準とした報酬がない。
 会社は、女性の取り分については源泉徴収をしていない。
 
⑥ 事業者性の有無、専従者性の程度
 女性は性病検査費用など業務に伴う費用を自らで負担していた。
 本件店舗で業務に専従してしていたものではない(掛け持ちや個人事業者としての活動)。

以上から雇用契約ではなく業務委託契約であると考えるのが相当であるとし、原告の請求は棄却された。

コメント

 この判例は「風俗店が風俗嬢を解雇することが解雇権の乱用か?」を争った裁判でした。

 つまり「雇用契約」が「業務委託」かということになります。女性は「実質、雇用である!」という主張でしたか認められませんでした。「店舗を運営する法人と女性の関係は雇用契約ではなく業務委託契約」と裁定を受けました。お店の事実上、勝訴です。

 もし「雇用」であると認められていれば、「解雇権」の問題ばかりでなく、税金の申告などにも影響します。

 性風俗ではありませんが、ホステスやホストの労働者性が認められた判例もあります。「業務委託」であることをCPさんに業務頂く場合、上記の裁判所が示した点をお店側もしっかりと守る必要があるでしょう。

風俗嬢の「労働者」性 
―性風俗店を解雇された女性が解雇権の濫用を訴え損害賠償を請求した事案について―
(東京地判平28・1・26(ワ)22612号)

人気セミナー情報

「風俗業界に激震?!消費税10%よりも怖い「インボイス制度」とは?!」セミナー開催!

シェアする