売春行為により返済されることを前提とした金銭消費貸借契約は無効!

ざっくり言うと…
▼ホストクラブに客として頻繁に通っていた女性ら。未払い遊興費が増えその返済を求められる。女性らはソープランド働くことに。
▼ソープランド経営者からコンパニオンとしての給料を前借する前提で雇用される。前借金200万円は採用面接に同席したホストの男性が持ち帰り未払い遊興費の返済に充てられた。
▼その後当該ソープランドは摘発を受け女性らは店舗で働くことができなくなった。同ソープランド経営者が女性らに対して金銭消費貸借契約に基づく貸金として前借金の返還を求めたが女性らは契約の不成立・無効を主張し拒否。経営者の請求は棄却された。

 要旨

売春行為により返済されることを前提とした金銭消費貸借契約は売春の助長につながり、公序良俗に反し無効であるとされた。

 結論

ソープランド経営者の請求が棄却された。

 裁判所の判断

 原告(ソープランド経営者)はソープランドの経営にあたり、前貸しをする場合、当分の間店舗内の客室に宿泊させ、無断外出・外泊を禁止し、女性たちの稼働を確保。前貸し金の返済が完了するまで逃げられないようにしていた。

 被告女性らも、その旨説明を受けたうえでソープ嬢として雇用されたうえ、客室に泊まり込み、同店舗において売春を行っていたことが認められる。

 被告女性らの要望に応じたものであったとはいえ、被告女性らに対する前貸し金返済を確保するため、被告女性らを自らの管理下に置いた上で継続的に客と売春させ、利益を上げるとともに、前貸し金も被告らに対して支払う給料によって返済を受けることを意図したものと認められる。

 本件消費貸借契約はソープ嬢として雇用にあたっての前貸しとして締結されたものであり、その返済は被告女性らが原告の管理下においてソープ嬢として売春を継続して行うことによってされることが予定されていたものであるから、そのような趣旨目的のもとに、売春によって得た収入をもって返済がされることを前提として締結された本件消費貸借契約は売春の助長につながり、公序良俗に違反するといわなければならない。

 コメント

 売春を助長することになるようなお金の前貸しは売春防止法9条において刑罰をもって禁止されています。この事案は売春契約そのものではないですが、売春行為により返済されることを前提とした金銭消費貸借契約は無効とされました。ちなみに売春契約は民事上無効で、支払い済みの対価があっても不法原因給付として返還を必要としないとする判例があります(名古屋高裁昭和29年11月25日)。

売春防止法(前貸等)
第九条 売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(売春をさせる契約)
第十条 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 2 前項の未遂罪は、罰する。

平成17年11月30日 東京地方裁判所

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