【有害業務への勧誘!?】広告見て性風俗店へ応募してきた女性に対し、面接官が絶対にやってはいけないこととは?

ざっくり言うと…
▼広告見て応募してきた女性に仕事内容や条件を説明する行為は募集(勧誘)にあたらない。
▼女性が働くことを決めたあとに「頑張って」「一生懸命やったら稼げるから」は募集(勧誘)にあたらない。
▼面接時に採否を保留し、後日電話で改めて「働いて欲しい」と頼んだ行為は募集(勧誘)にあたり違法。

勧誘

要旨

 広告を見てファッションマッサージ店に応募してきた女性Aさんに、面接で仕事内容を確認したり条件を説明したり、採用決定後「頑張って」などと声をかけた行為については募集(勧誘)には当たらない。一方で面接時には態度を保留して帰宅した女性に、コンパニオンが足りなくなったので電話をかけ、働いて欲しいと頼んだ行為は勧誘に当たり違法。

結論

 面接や雇用条件の告知など契約締結のために当然伴う行為は募集(勧誘)に当たらず無罪。
採用を留保して帰宅した女性に対し、改めて電話をかけ働いて欲しいと頼んだ行為は募集(勧誘)に当たり有罪(懲役8月、執行猶予2年)。

裁判所の判断

 まず、「性交類似行為」を「有害業務に当たる」ことを前提としつつ、職業安定法五条五項にいう勧誘があるというためには、労働者となろうとする者に対し、被用者となるように勧め、あるいは誘うなどの働きかけのあることが必要。

 店の広告を見て、働くことを希望して電話をかけてきた女性に対し、「面接のなかで(被用者になるよう勧めたり、あるいは誘うなど)働きかけをしたり、雇用(労働)条を偽るなどの事情がある場合は別として、契約締結の際における単なる面接や雇用(労働)条件の告知など契約締結に当然伴う行為は、労働者となろうとする者の意思決定に事実上影響を及ぼすことがあっても、募集(勧誘)にあたらない。

 「頑張ってね」「一生懸命やったら稼げるから」と声をかけた事実については、働くことが決まった後であり募集(勧誘)があったと認めることはできない。

 応募してきた女性Bを面接、勤務条件を説明したもののその場では採否の結論を保留し、女性Bも働く意思を保留したまま帰宅し、後にコンパニオンの人数が急に足りなくなったため電話をしてその日から働いて欲しいと頼んだ行為は募集(勧誘)に当たる。

 懲役8カ月。執行猶予2年。

コメント

 面接をしにお店に来た時点で性風俗店で働くことを決めてきていると思いがちだがですが、裁判所は必ずしもそうだとは認めていません。経営者、店舗スタッフの皆さんは面接時の発言には気を付けなければいけません。

 皆さんも経験があると思いますが、面接には来たものの働くことを迷っている女性も中にはいます。そんな女性に対して「君は可愛いから稼げるよ」「みんな普通にやってるよ」などという迂闊な一言で逮捕されてしまうかもしれません。また働くことを決断できずに帰宅した女性に対し、電話やメール・ラインなどで決断を促すような行為は絶対にやってはいけません。

 実際この判決はその迂闊な言動で有罪判決を受けたケースです。何が職業安定法違反にあたるか、今一度確認をしておきましょう。

事件番号 平成2(う)838 大阪高等裁判所 平成3年5月9日

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