「痴情のもつれ」じゃ済まされない!【裏引き】が【殺人事件】に

■ざっくり言うと…
▼被告人はデリバリーヘルスで知り合ったコンパニオンを繰り返し指名するうちに好意を抱いた。被告人はお互いに好意を抱いていると思い、店舗を介さず会うようになる。
▼外で会うときは被告人はコンパニオンに金銭を支払っており、コンパニオンは「客として会っているだけ」と言っていた。
▼しかし、被告人はお互いに思い合っていると思い続けていたが、ケンカ別れをしてしまう。「もう会えなくなるなら相手を殺して自分も死ぬ」と包丁を携えコンパニオンに会いに行き、一度は謝罪もあり関係が修復したかのように見えたが「あんたなんか嫌いよ」と言われ、殺害に至った。

要旨

デリハリーヘルスで出会ったコンパニオンに対する被告人の一方的な恋愛感情が招いた身勝手な殺人事件。

結論

懲役 15年

裁判所の判断

 かねてより単身で家族とも疎遠な暮らしをしていた被告人が、デリバリーヘルスのコンパニオンにのめり込み金銭を費やした経緯には理解できる面もあるが、胸を包丁で2回突き刺すという行為は、危険かつ残忍なものであり、傷は包丁の柄が身体に入り込むほどであったことから殺意は相当強かったと認められる。被告人は過去に包丁を使用した殺人未遂事件を起こし実刑判決を受け服役をした経験もあり被告人に対する非難を幾分か強める事情である。
被告人が事実を認め、被害者の遺族に被害弁償の申し出をするなど反省の態度を示していることから、「懲役15年」に処すことが相当と判断した。

コメント

裏引きをしていた相手にコンパニオンが殺されてしまった事件です。

被告人(男性客)と店外で会っているときは「客として会っているだけ」と被害者であるコンパニオンさんも伝えていたにも関わらず、被告人は「将来は一緒に飲食店を営めるかもしれない」と勝手に期待を膨らませていました。

コンパニオンさんは「ただの客」と思っていても、男性客からしたら「僕だけの恋人」という感情を抱き、会いに来ているということはしばしばあります。大学教授がストーカー規制法違反で逮捕された際の「まだ別れ話をされていない」という供述にも共通していると言えます。

疑似恋愛を楽しむ場ではありますが、それは店舗を通じているから成り立つものです。今回、金銭を受け取りながらも店外で会い続けた結果、コンパニオンさんは殺害されました。
「相手を傷つけずに別れるから大丈夫」、「殺すような相手と裏引きしないから大丈夫」ということはありません。きっとこのコンパニオンさんも「自分は大丈夫。殺されるわけがない」と思っていたと思います。

裏引きは百害あって一利なしです。裏引きの危険性を理解してもらうことはもちろん、コミュニケーションをとりコンパニオンさんに異変にすぐ気づけるようにしておきましょう。

平成30年12月20日 福岡地方裁判所  第1刑事部 平成30(わ)第592号(裁判員裁判)

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