他人が採用したコンパニオン。あなたは「年齢確認」をおこなっていますか?

ざっくり言うと…
▼コンパニオン不足に悩む某デリヘル店の経営者が知人のデリヘル店から、継続的にコンパニオンを派遣してもらい、自店の料金で接客させ利益を得ていた。
▼知人のデリヘルから派遣してもらったコンパニオンが18歳に満たない児童だと発覚。児童福祉法違反で摘発される。
▼他人(他店)が採用したコンパニオンであっても年齢確認を必ず行わなければならない。知らなかったでは済まされず有罪に。

年齢確認

要旨

性風俗店の経営者が、他の性風俗店と継続的なコンパニオン派遣契約を締結し、他店コンパニオンを常に利用できる状態にあった場合、営業の一環として他店から派遣された児童に淫行させた者は、児童福祉法60条4項の「児童を使用する者」にあたる。被害児童の年齢確認を行わないで淫行させた性風俗店経営者には過失が認められる。

結論

知人の店舗からコンパニオンの派遣を受ける場合でも、他人(他店)が採用したコンパニオンであるからといって年齢確認の義務が免れるわけではない。
有罪。懲役1年執行猶予3年。

裁判所の判断

 被告人はデリヘル「甲」を経営。被告人はデリヘル「乙」と共謀し、「乙」でヘルス嬢として採用していた女性(当時16歳)に対し年齢確認の方法を尽くさず、同女性をして客に性類似行為をさせ、もって18歳に満たない児童に淫行させる行為をした。

1 児童福祉法60条4項「児童を使用する者」。

 被害児童はデリヘル「乙」の経営者に指示されれば客に口淫・手淫等のサービスを提供する地位にあった。
 被告人はデリヘル「乙」と継続的な従業員派遣契約を締結しており、同店の従業員を自己の利益のために常に利用できた。
 被害児童はデリヘル「甲」の料金体系で客に口淫・手淫等のサービスを提供。被告人は被害児童の上記サービスにより直接的に利益を得ていた。
 被告人は客からの注文を受け、乙店に対し従業員の派遣を要請していたものであって、デリヘル「乙」の経営者を通じ、間接的にではあるが、被害児童に対し、経済的影響を及ぼすことにより、意思決定を行わせることが可能であった。
被告人は被害児童との間に直接の雇用契約は結んでないものの、被告人が経営するデリヘル「甲」とデリヘル「乙」は継続的なコンパニオン派遣契約を結んでおり、つまり被告人はデリヘル「乙」のコンパニオンを自己の利益のために常に利用しうる地位にあったこと、被害児童の性類似行為は被告人の経営するデリヘルの営業の一環としてなされたものとみられる。
 被告人は児童福祉法60条4項の「児童を使用する者」に当たることは明らか。

2 児童福祉法60条4項の過失とは。

 被告人は継続的な従業員派遣契約を締結しているデリヘル「乙」がどのような方法で従業員を雇用しているか、すなわち身分証明書による年齢確認を必ず行っているか確認した上、デリヘル「乙」から派遣される従業員について個別に名簿を取得してその名簿に身分証明書の写しを添付させる等の方法で児童に淫行させる行為を防止することが十分可能な立場にあった。
 被告人は被害児童についてこのような年齢確認を全く行っていないのであるから被告人に過失が認められることは明らか。

コメント

 自店の出勤コンパニオンが少ないがために、せっかくのお客さんを逃すことが惜しくなり、知人のお店から空いているコンパニオンを借りて、自店のコンパニオンとして接客させているお店があります。その場合従業員名簿を作成し、身分証明書を提出させ「年齢確認」しているお店がどれだけあるでしょうか。
 この判決のように仮に派遣してもらったコンパニオンが18歳に満たない児童であった場合、年齢を知らずに接客させてしまうと取り返しのつかないことになります。
 他人が採用したコンパニオンであるからといって年齢確認義務を免れるわけではなりません。
 ちなみに他店からコンパニオンを借りた場合だけでなく、同じお店の中で、例えば経営者が面接し採用したコンパニオンが18歳の満たない児童であった場合、経営者が採用したのだから大丈夫だとスタッフが身分証明書などによる年齢確認を怠り接客にさせていた場合、そのスタッフは児童福祉法違反の罪に問われます。この場合の罰則は非常に重いものです。
 自店で接客させる場合は、必ず従業員名簿を作成し身分証明書の提出をさせることを徹底し、店舗スタッフ全員がチェックするようにしなければなりません。

児童福祉法

第34条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
6 児童に淫(いん)行をさせる行為

第60条 第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、前三項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

平成18年(少イ)7号 大阪家庭裁判所 平成18年9月12日

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