性感染症検査クリニックが見る。最前線の性病事情②~増えている梅毒と咽頭感染~

 日刊デリヘル経営編集部の見習いです。不定期連載でお送りしております「性病事情」について。第2回目は患者数が急増している「梅毒」と「咽頭感染」を紹介していきます。

 前回に引き続き、東京・池袋の性感染症検査クリニック外来「池袋駅前ライフクリニック」の夏目ミュウさんにお話しを伺いました。

梅毒が増え続けている原因はなに?

 日刊デリヘル経営でも紹介したことがある「梅毒患者急増」のニュース。取材にご協力いただいた「池袋駅前ライフクリニック」でも「梅毒」と診断結果を伝えることが増えているようです。

 梅毒と診断される人が多い中で「一番ひどかった」と夏目さんが話すのは、「治療せずに梅毒を半年間も放置していた」人が検査に来たこと。
 梅毒に限らず、尖圭コンジロームなど性感染症を専門に診察している病院では、「これは梅毒の症状だね」や「コンジロームだね」とすぐに診断できるものの、前回の記事でも紹介したとおり、性感染症の専門医ではないところで『原因不明』や『かもしれない』と判断され早期発見のタイミングを逃してしまうことが増えているのも事実としてあります。
 その事実を受け、日本性感染症学会で専門医以外にむけた「梅毒診療ガイド」を2018年6月に発表しました。ここ数年で梅毒患者が急増しているのは、医療現場はもちろん、我々の梅毒に対する知識がなさすぎたことが原因の1つとして考えられています。

 とある医療関係者から雑談の中で「日本人の性交渉経験者の6人に1人はクラミジアの菌を持っている」と言い、これ以上の感染拡大を防ぐためには、「性交渉経験のある人全員が、同じ日に薬を飲み、持っている菌を死滅させなければ難しい」と冗談交じりにアイディアが出ていました。冗談交じりのアイディアとはいえ、そこまでしないとクラミジアはもちろん、梅毒を含む性感染症の感染を止めることはできないということです。

 そうした感染を止められない状況の中でも、コンパニオンさんが健やかに働けて、そしてお客様に楽しんで遊んでもらうためにも店舗側から「性感染症に対する正しい知識」や「検査の必要性」を発信していくことも大切です。「安心して働ける/遊べる」は、選ばれ続ける理由に繋がっていきます。

咽頭感染も注意が必要

 「梅毒」と同様に、感染している人が増えているというのが淋菌やクラミジアなどの「咽頭感染」です。

 夏目さんは「検査を行って、性器は感染していなくても、咽頭に感染している人もいました。回し飲み程度では感染しないけど、唾液交換やディープキスは感染する可能性があります」と、オーラルセックス以外からも咽頭感染は起こりうる危険性があると教えてくれました。

 女性の淋菌は膣だけでなく咽頭への感染も多く、これはオーラルセックスが原因だと言われています。咽頭への感染を防ぐためには、コンドームの着用が必須になりますが、2001年に発表された「性感染症関連知識と行動、予防・支援対策」に関する文献では、咽頭感染をした性風俗店で働いている女性に対しアンケートをとったところ【店舗のルールでコンドームは使用しないと決まっている】、【男性客からの要望】、【雰囲気を壊したくない】という理由からコンドームを着用せずにオーラルセックスをしていると結果が記されていました。

 古い情報ではあるものの、淋菌の咽頭感染を防ぎきれない理由は変わっていないのではないかな?と感じます。防ぎきれないのであれば、やはり自衛策が必要になってきます。

 咽頭感染も自覚症状がほぼないので、デリヘルに限らず性風俗に携わっているのであれば咽頭の検査も定期的に行うようにしましょう。その際、「うがい」で検査をするクリニックがおすすめです。綿棒で菌を採取するクリニックもありますが、綿棒は咽頭感染の検査に適しておらず、「うがい」の方が菌を採取しやすいとのアドバイスを夏目さんからいただきました。検査キットを使って自宅で検査をする場合は、「うがい」で検査するものを選ぶようにしましょう。

性病は治る。そのためには治療を続けること

 梅毒や咽頭感染に限らず、性感染症において一番の問題は「治療をすれば治る病気でありながら、ほったらかして重症化させてしまうこと」です。

 特に梅毒は、症状が進むにつれ、治療期間の長期化します。診断され、最初に処方された薬を飲み切っただけでは「完治」とはなりません。しかし、その治療期間の長さから途中で診察に行かなくなったり治療を自ら辞めてしまう人がいるため、そこからまた感染が拡大しています。

 AVをはじめ長く性産業の第一線で活動を続けている夏目さんは「性産業に身を置いてるなら、検査と相談ができるかかりつけ医を見つけ、常備薬として抗生剤を持ち歩き、少しでも“おかしいな”と感じたら休む【余裕】も必要」とプロとしての心構えとして、性感染症と向き合う大切さを教えてくれました。

 性病検査をきっかけにお休みをせざるを得ないコンパニオンさんも出てくると思います。店舗としては痛手になりますが、健康で長く働いてもらうために必要なことです。安心して働けるお店でありつづけるためにも、性病検査の重要性、そして感染患者が急増している病気についての知識をつけておくと良いでしょう。

 次回は現在店舗が行っている性病対策について紹介していきます。

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